音楽現代(2022年8月号・芸術現代社)★ 推薦盤
2022.06.10 on sale
マックス・レーガー:クラリネット・ソナタ集
Max Reger: Sonaten für Klarinette und Klavier [NIKU-9045]
伊藤 圭(クラリネット) 長尾洋史(ピアノ)
Kei Ito, Klarinette Hiroshi Nagao, Klavier
世にあるクラリネット・ソナタのなかでも異彩を放つレーガーの3曲。独自の美学で綴られた作品は深遠かつ叙情的であり聴く者の心を奪う。ソロや室内楽でも活躍するNHK交響楽団首席クラリネット奏者・伊藤圭と様々な分野で多岐にわたる活動を展開するピアニスト・長尾洋史が確かな技術と精妙なアンサンブルでレーガーが作品にこめた美と芸術の原理を紐解く。
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TRACKS
マックス・レーガー Max Reger (1873-1916)
クラリネット・ソナタ第1番 変イ長調
Sonate für Klarinette und Klavier Nr.1 As-dur, op.49-1 (1900)
#01 I. Allegro affanato [07:42]
#02 II. Vivace [04:22]
#03 III. Largo [03:50]
#04 IV. Prestissimo assai [04:45]
クラリネット・ソナタ第2番 嬰ヘ短調
Sonate für Klarinette und Klavier Nr.2 fis-moll, op.49-2 (1900)
#05 I. Allegro dolente [08:03]
#06 II. Vivacissimo [02:49]
#07 III. Larghetto [04:14]
#08 IV. Allegretto affabile [05:15]
クラリネット・ソナタ第3番 変ロ長調
Sonate für Klarinette und Klavier Nr.3 B-dur, op.107 (1908/9)
#09 I. Moderato [11:17]
#10 II. Vivace [05:13]
#11 III. Adagio [05:18]
#12 IV. Allegretto con grazia [07:44]
total time [70'49”]
伊藤 圭(クラリネット) Kei Ito, Klarinette
長尾洋史(ピアノ) Hiroshi Nagao, Klavier
録音:
2021年9月14-15日 小出郷文化会館「大ホール」
Koidego Cultural Hall “Concert Hall”, 14-15 September 2021
ARTIST
伊藤 圭(クラリネット) Kei Ito, Clarinet
宮城県大崎市生まれ。2001年東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。第6回日本クラリネットコンクール第1位。第75回日本音楽コンクール入選。東京オペラシティ リサイタルシリーズ「B→C 」に出演し、その様子はNHK-FM 「クラシック倶楽部」に取り上げられた。藝大フィルハーモニア、東京都交響楽団を経て、2011年よりNHK交響楽団首席クラリネット奏者を務める。
協奏曲のソリストとして、2014年東京藝大「創造の森」において尹 伊桑《クラリネット協奏曲》、2020年台湾嘉義市国際音楽フェスティバルに招聘されP.スパーク《クラリネット協奏曲》を演奏。2019年 「天皇陛下 御即位30年 奉祝感謝の集い」ではモーツァルト《クラリネット協奏曲》の特別奉祝献奏を行い、2021年第1938回NHK交響楽団定期公演のソリストとして同曲を協演。
2017年、ソロ・アルバム「レヴーズマン 藍の詩」をリリースし、レコード芸術誌 準特選盤に選出される。2018年から仙台クラシックフェスティバルに連続して招聘されリサイタルを開催している。
これまでにクラリネットを千石 進、日比野裕幸、野田祐介、山本正治、三界秀実、村井祐児の各氏に師事。
東京音楽大学兼任准教授、東京藝術大学、国立音楽大学講師として、また国内外のマスタークラスの講師として招聘され、後進の指導にあたっている。ソロ、室内楽、指導者としての活動の傍ら、幼稚園から高等学校までのアウトリーチ事業にも取り組むほか、介護施設などでの演奏を行なう活動も継続し現在活動の充実期を迎えている。
使用楽器:ビュッフェ・クランポン「フェスティバル」(B♭/A)
長尾洋史(ピアノ) Hiroshi Nagao, Klavier
東京藝術大学音楽学部器楽科及び、同大学院修士課程を修了。在学中に安宅賞を受賞。宗廣祐詩、遠藤道子、米谷治郎の各氏に師事。1995年、エコールノルマル音楽院(パリ)に留学。
NHK交響楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団など国内主要オーケストラとの共演やソロ・リサイタル、マクサンス・ラリュー(フルート)、ジャン=イヴ・フルモー(サクソフォン)、パーヴェル・ベルマン(ヴァイオリン)など、国内外の管弦楽器奏者とも多数共演。また、国内外を問わず多くの作品の初演、サイトウ・キネン・フェスティバル松本やサントリーホール・サマーフェスティバルなどの音楽祭出演、NHK等のメディア出演など、その活動は多岐にわたっている。
CDは「エボカシオン」「ラヴェル&ドビュッシー」(ライブノーツ)、「メシアン:アーメンの幻影 2台ピアノ」、「リスト&レーガーを弾く」(コジマ録音)、現在進行中のシリーズ「ピアニズム1/バッハ:ゴルトベルク変奏曲、ピアニズム2/ドビュッシー:前奏曲集 第1巻&第2巻、ピアニズム3/ハイドン:中期ピアノ・ソナタ集、ピアニズム4/アルベニス:イベリア」(299MUSIC)のソロのほか、ミシェル・ベッケ(トロンボーン)、ワルター・アウアー(フルート)、加納悦子(メゾソプラノ)らとの共演など多数リリースされ、各紙にて好評を得ている。
透明で芯のある美しい音、緻密で精巧なテクニックの中に、熱くみずみずしい音楽を聴かせることのできる数少ない演奏家である。